さすがに一日では終わらない。また今日何か書くわけですが、また夢について考えたいと思います。私たちは、夢と言うものを軽く見すぎています。夢を見ているときの快感は何にも変えがたく現実では決して起こりえません。しかし夢を現実としてみると現実はまさに夢であって、おきた瞬間実際にそのような実感を得ることがあります。そして昨日はなんと起きた瞬間だけではなく一日中夢のような生活を送ったのでした。そして今日寝るときは現実に帰るような気分がするのです。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。おそらく最近ブルックナーの第5交響楽を聴いたからです。また音楽の話かいと突っ込まれそうですが、そうではなくて人生に於いて頭が麻痺すると言うか現実に生きていないような感覚に襲われることがあります。このような感覚は喜ばしいものなのでしょうか。人は悩んだり沈む必要などあるのでしょうか。いっそうそんなものは知らない方が良いのではないのでしょうか。私たちは悩みや心配を減らそうと努力したところでさらに悩みや心配が増えることを知っています。これは現実に生きている以上仕方ないことだと思います。こうしたものを忘れるには寝るしかないわけです。しかし私はこれを逃避だと思いません。たくさん悩んで寝るときにしっかり寝るのは苦悩を忘れるためではなくて苦悩に打ち勝つためだと思います。今日と明日を違うものにするために。睡眠があるのです。そんな当然のことを私は最近忘れていました。だから現実と夢が逆転したのでしょう。そこでブルックナーの音楽がかなり影響したと思われます。指揮者チェリビダッケが編むこの曲は夢空間に誘い込む力がありながら夢を現実と化してしまう麻酔のようなものです。私は涙を禁じえませんでした。いかに夢の出来事であっても信念を曲げない力があれば神は舞い降りるのだと。そしてそれがまさしく夜寝ているときの夢であって欲しいと思うのです。そうすれば起きてからも強く生きることができるのではないかと。