人は良く第一印象が大事だと言う。ところが私はそう実感したことが全くない気がする。それどころかある日突然、最初受けた印象が今では全く違っていることに驚くことが多い。タップダンスシチーとファインモーションもそうだった。タップダンスシチーはG3の常連として、特にとりたてて見るべき馬ではなかった。印象に残っているのはテイエムオペラオー、ナリタトップロードの5馬身後ろぐらいにばてもせず伸びもせず流れ込んでくるだけの馬だった。しかし、いつかの有馬記念。あれはすごかった。4コーナーを周るタップダンスシチーの姿を見たとき私は、一周目を周ったときと同じぐらい、いやそれ以上の手応え。しかしこういう時こそ負けるのが競馬で私はかなり冷静にテレビ画面の左側を見ていた。ファインモーションが差し返すんじゃないかと(爆笑)唯一差したのはシンボリクリスエスだった。とにかくこのレースは見所が多すぎて私の中では伝説になっている。予想のつかない個性派同士の争いが競馬に新鮮さを与えていた。あのとき、競馬のおもしろさというよりも第一印象がくずれさる滑稽さに今まで見てきたアレ(タップダンスシチーのかなり地味な末脚やファインモーションの圧衝撃)は何だったんだと憤慨した。しかし今考えてみると第一印象が強烈過ぎてその後の印象がさらに強烈になってしまった事例の一つだと冷静に受け止められる。◇ 07/05/10(木) 01:46 編集